ダイアトニックコード
今回はダイアトニックコードというものについてです。
かなり濃い内容になりますが、
今回の記事を読めば今まで意味不明に並んでいただけのコード譜のコードの羅列が一気にストンと腑に落ちます。
僕はコードを覚えたての頃いろんなコード譜を見て弾いていたんですが、「この曲のコードの羅列はなんでこのコードになっているんだろう」「きっと作った人はギター歴長いからこういう感じのコードが合うんだろうなと言うのを知っているんだろうな」と音楽初心者には絶対知り得ない何かで曲はできているんだ、いつか作曲が出来るくらいギターうまくなりたいな、とかギターうまくなってコードの音の感じをたくさん覚えれば作曲が出来るようになると思っていたし、作曲の事に関しては目をそむけるというか初心者が絶対に手が届かない何かだと思っていました。
このダイアトニックコードと言うものを知るまでは!!!!
このダイアトニックコードに出会った時は衝撃的でした!!!
今まで心のどこかでずーーーーっとつっかえていたものが一瞬ですーーーっときえるような、
もうあきらめてしまっていた物が手に入ったような、
世の中の絶対法則を理解してしまったような、
そんな気になりました!!
このダイアトニックコードを理解すれば
曲がどうやってできているのかも知ることができますし
その曲を作った人がどんな感情でそのコードを選んだかを推測することもできるかもしれません!!!
そして何より、自分で作曲するということが出来るようになります!!!!
しかも簡単に!!!
すごいぜ、ダイアトニックコード!!!!
では行きます。
メジャースケール
単音は全部で12個あるという話をしました。
しかし曲の中ではこの単音12個すべては使いません。
では何個使うのかというと基本的には7個です。
この7個をどうやって出すのかというと
スケールというものを使います。
スケールはいくつもあるのですが今回はメジャースケールというものを使います。
まずは単音の入る場所12個を書き出してみましょう。
でしたね。
今回は試しにCメジャースケールを作るのでCから並べていきます。
こうなります。
で、Cメジャースケールの7個の公式は
1 M2 M3 4 5 M6 M7
です。
これは12個の音から全音、全音、半音、全音、全音、全音で拾ったものです。
上の図より、Cメジャースケールの音はC D E F G A Bの7個となります。
Cから並べたスケールなのでこの7音で曲を作ると曲のキー(調)はCということになります!!
全ての曲にはそれぞれ決められたキー(調、Key)というものがあり、C~Bまで12個のキーがあります。
カラオケでキーを上げたり下げたりすると曲全体の音が上がったり下がったりするあれのことです。(原曲キーが決められたキー)
それぞれC~Bを先頭にしてこの全全半全全全で並べるとC~Bそれぞれのキーで使う音が出せます。
メジャースケール一覧表
1st | M2 | M3 | 4th | 5th | M6 | M7 | |
キーC | C | D | E | F | G | A | B |
キーC# | C# | D# | F | F# | G# | A# | C |
キーD | D | E | F# | G | A | B | C# |
キーD# | D# | F | G | G# | A# | C | D |
キーE | E | F# | G# | A | B | C# | D# |
キーF | F | G | A | A# | C | D | E |
キーF# | F# | G# | A# | B | C# | D# | F |
キーG | G | A | B | C | D | E | F# |
キーG# | G# | A# | C | C# | D# | F | G |
キーA | A | B | C# | D | E | F# | G# |
キーA# | A# | C | D | D# | F | G | A |
キーB | B | C# | D# | E | F# | G# | A# |
スケールの音のコード化
で、この割り出したCメジャースケールの音7個で何をするのかというと
それぞれの音をコード化していきます。
なんでそんなことすんねんと思うと思いますが
これを割り出していくと
それぞれのキーの曲で使われる基本のコードがわかるのです!
コード化といっても単にC→Cコードとしていくのではありません!
これもある法則に従い、今回は3和音を作っていきます。
Cメジャースケールの構成音は
こうでしたね。
これのC~Bまでそれぞれ、1個とばしで3つの音をひろって今回は3和音を作ります!
たとえばCの場合は
CEGの3和音になります。
残りのDEFGABの音も同じように1個飛ばしで音を3つ拾って3和音を作ると
C E G
D F A
E G B
F A C
G B D
A C E
B D F
となります。
ダイアトニックコード
この3つの音からなる3和音が何というコードかをみていくと、
C E G→Cコード
D F A→Dmコード
E G B→Emコード
F A C→Fコード
G B D→Gコード
A C E→Amコード
B D F→Bm♭5コード(1st、m3rd、♭5thからなる3和音)
となっています。
横に並べると、
C Dm Em F G Am Bm♭5
となります。
この7つのコードがキーがCの曲で使われる基本のコードです。
実際にキーがCの曲のコード譜を見てみましょう。
「Let It Be」 (レット・イット・ビー) | the Beatles(ビートルズ) 歌詞/コード検索サービス | 楽器.me
ほぼ全てのコードが上のC Dm Em F G Am Bm♭5 のどれかです!
このそれぞれのキーの時のメジャースケール7個の音を、上の法則に従いコード化した7つのコードの事を
ダイアトニックコード
と言います。
超重要単語なのでもう一度書きます
ダイアトニックコード
と言います。
そして12個の音の入る場所に名前があったように
この7つのコードが入る場所にも名前があります。
最初から
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
と表します。
もう1度
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
と表します。
この表し方を「ディグリーネーム」と呼びます。
ダイアトニックコードにはある法則がある
で、このダイアトニックコードにはある法則があります。
これは全部のキーのダイアトニックコードを割り出すとわかるんですが、
(数学者ならもう気付いてるのかもしれない・・・)
とりあえずキーCの次のキーC#のダイアトニックコードを出してみるとなんとなく見えてくると思うので出してみましょう。
C#メジャースケールの7つの音は
C# D# F F# G# A# C
です。(上のメジャースケール一覧表より)
この7音を上の法則に従い3音を拾い、コード化します。すると、
C# | F | G# | →C# |
D# | F# | A# | →D#m |
F | G# | C | →Fm |
F# | A# | C# | →F# |
G# | C | D# | →G# |
A# | C# | F | →A#m |
C | D# | F# | →Cm♭5 |
となります。
横に並べると
C# D#m Fm F# G# A#m Cm♭5
となります。
これがキーC#の時に使われる基本の7つのコードです。
キーがCの時のダイアトニックコードと並べて見てみましょう。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ | |
キーC | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm♭5 |
キーC# | C# | D#m | Fm | F# | G# | A#m | Cm♭5 |
なんか気付きませんか??
mやm♭5のついてる場所が一緒じゃないですか???
そうなんです。
全てのキーのダイアトニックコードを出してみるとわかるのですがディグリーネームⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶの場所それぞれのコードにつくmやm♭5の場所が一定なのです!!!
Ⅰ、Ⅳ、Ⅴは必ずメジャーコードになり、Ⅱ、Ⅲ、Ⅵは必ずマイナーコードになり、
Ⅶは必ずマイナー♭5コードになります。
つまりこうとも言えます、メジャースケール一覧表のM2M3M6の場所にある単音にmを振り、M7の場所にある単音にm♭5を振り、コード化すれば簡単に
メジャースケール単音一覧表→ダイアトニックコード一覧表
というそれぞれのキーで使う単音一覧からそれぞれのキーで使うコード一覧への変換ができてしまうということです!!!!!!
メジャースケール単音一覧表
1st | M2 | M3 | 4th | 5th | M6 | M7 | |
キーC | C | D | E | F | G | A | B |
キーC# | C# | D# | F | F# | G# | A# | C |
キーD | D | E | F# | G | A | B | C# |
キーD# | D# | F | G | G# | A# | C | D |
キーE | E | F# | G# | A | B | C# | D# |
キーF | F | G | A | A# | C | D | E |
キーF# | F# | G# | A# | B | C# | D# | F |
キーG | G | A | B | C | D | E | F# |
キーG# | G# | A# | C | C# | D# | F | G |
キーA | A | B | C# | D | E | F# | G# |
キーA# | A# | C | D | D# | F | G | A |
キーB | B | C# | D# | E | F# | G# | A# |
ダイアトニックコード一覧表
Ⅰ | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅶm♭5 | |
キーC | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm♭5 |
キーC# | C# | D#m | Fm | F# | G# | A#m | Cm♭5 |
キーD | D | Em | F#m | G | A | Bm | C#m♭5 |
キーD# | D# | Fm | Gm | G# | A# | Cm | Dm♭5 |
キーE | E | F#m | G#m | A | B | C#m | D#m♭5 |
キーF | F | Gm | Am | A# | C | Dm | Em♭5 |
キーF# | F# | G#m | A#m | B | C# | D#m | Fm♭5 |
キーG | G | Am | Bm | C | D | Em | F#m♭5 |
キーG# | G# | A#m | Cm | C# | D# | Fm | Gm♭5 |
キーA | A | Bm | C#m | D | E | F#m | G#m♭5 |
キーA# | A# | Cm | Dm | D# | F | Gm | Am♭5 |
キーB | B | C#m | D#m | E | F# | G#m | A#m♭5 |
ダイアトニックコードの入る場所Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm♭5にはそれぞれの役割がある
これまで各キーで何のコードが使われるのかを見てきました。
今回はこの使われるコードたちをどうやって使うのかを見ていきます。
この章を理解すると作曲、曲の構成を理解することが出来るようになります。
7つのダイアトニックコードには入る場所それぞれに名前がある(ディグリーネーム)という話をしました。
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
こうでしたね。
しかも場所によってmやm♭5が付く場所が決まっているので
Ⅰ Ⅱm Ⅲm Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅶm♭5
と表記しちゃいましょう。
そしてこのディグリーネームそれぞれ曲の中での役割が決まっています。
役割は3つあります。
・トニック
→Ⅰ(メイン)、Ⅲm、Ⅵm
始まりと終わり。
強い安定感。
・サブドミナント
→Ⅳ(メイン)、Ⅱm
発展。
トニック、ドミナントどっちにも行ける。
・ドミナント
→Ⅴ(メイン)、Ⅶm♭5
不安定感。
トニックへ行きたがる。(安定したい!)
となっています。
これだけだとわからないと思うので実際にどのようにこれが使われてるのかコード譜を見てみましょう。
「Let It Be」 (レット・イット・ビー) | the Beatles(ビートルズ) 歌詞/コード検索サービス | 楽器.me
最初はC(Ⅰトニック)で始まります。
曲の始まりのコードはほぼその曲のキーとなっています。
終わりも始まりのコードと同じコードで終わっている場合ほぼ間違いないです。
で、G(Ⅴドミナント)に行きます。
ドミナントといえばトニックに戻りたがる(安定したがる)性質があります。
で、やはりトニックに戻りますが、メインのC(Ⅰトニック)ではなく、
Am(Ⅵトニック)に戻っており、曲を展開させています。
その後、F(Ⅳサブドミナント)に行き、展開させ、
C(Ⅰトニック)にまた戻り、G(Ⅴドミナント)に行き、
トニックに行きたい気持ちを抑えてF(Ⅳサブドミナント)を一回はさみ、
C(Ⅰトニック)に戻って、→G(Ⅴドミナント)→C(Ⅰトニック)で終止させています。
と、こんな感じでダイアトニックコードで曲が進んで行きます。
ダイアトニックコード、お分かりいただけたでしょうか!